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建設工事紛争審査会とは?②

投稿日:2016年6月3日

建設工事紛争審査会の手続きは、「あっせん」、「調停」、「仲裁」の3種類となっており、事件の内容、解決の難しさ、緊急性等により、いずれの手続きになるかを選択します。

 

①「あっせん」

法律の委員(弁護士)があっせん委員として、原則として一人で案件を担当します。

 

②「調停」

法律の委員(弁護士)の他に、建築や土木等の技術の専門家、行政経験者など3人の調停委員で案件を担当します。

 

技術的な争点があって図面や工程表を照らしながらの主張がある場合には、「あっせん」よりも「調停」の方が向いています。
また、下請代金不払いの問題なども「調停」の方が審理に向いているようです。

 

「あっせん」と「調停」はあくまでも民法上の和解としての効力となっており、別途公正証書を作成したりして確定判決を得たりしないと強制執行はできません。

 

趣旨としては、当事者の歩み寄りによる解決を目指していますので、ある程度幅をもって和解条件を検討することと互譲の気持ちを持って臨むことが大事です。
なお、一方または双方が互いに譲歩することなく、容易に妥協点が見出せないような場合には、手続きは打ち切られることがあります。

 

③「仲裁」

3人の仲裁委員が双方の主張を聞き、必要な証拠調べや立入調査などを行ったうえで、仲裁判断を下します。

 

また、仲裁手続を利用するには、両当事者が「紛争解決を審査会に委ねる」、「裁判所に訴訟を提起しない」ということについて合意(仲裁合意)をした場合に限られます。

 

解決した場合の効力としては、裁判所の確定判決と同じような効力を持ち、執行決定を得て強制執行ができます。

 

「あっせん」、「調停」とは異なり、裁判に代わる手続きで、一審制となっており、仲裁判断の内容については裁判所でも争えません。
一方で、「仲裁」においても、委員から和解の提案がなされることも多々あり、双方合意の上で和解が図られた例もあるそうです。

 

また、審査会の「仲裁」と裁判の違いは、建築・土木等の専門家が仲裁委員として加わるため、専門性の高い判断を下すことができること、さらに一審制なので三審制で裁判官で構成される裁判と比べ、簡易な手続きで迅速に処理できることがあります。

 

「あっせん」、「調停」、「仲裁」いずれの手続きも原則非公開とされています。

 

さらに、「あっせん」、「調停」、「仲裁」いずれにおいても、訴えの提起による時効中断の効果もあります。

 

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