在留資格認定証明書取得からビザ取得ついての流れとは?
ビザは在外日本公館で申請をして取得するものです。
しかし、就労を目的とする場合など長期在留をするためのビザを申請する場合、在外日本公館では日本現地の事情がよくわからないために、審査に時間がかかるなど難しい面があります。
このようなことから多くの場合、日本にある入国管理局が日本に入国、在留を希望する外国人が行う活動がそれぞれのビザの条件に適合しているかどうかを審査し、その条件に適合すると認めた場合に在留資格認定証明書という証明書を交付します。
この在留資格認定証明書を在外日本公館に提示してビザ申請をすれば、通常は入国および在留の条件に適合していると認められ、迅速にビザの発給を受けられます(例外:「短期滞在」の在留資格)。
◆ 在留資格認定証明書申請からビザ取得、日本入国までの一般的な流れ
【日本国内】
在留資格認定証明書交付申請(日本の入国管理局)
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在留資格認定証明書交付(日本の入国管理局より)
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会社担当者、親族等により申請人(外国人)の本国へ在留資格認定証明書を郵送
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【日本国外】申請人(外国人)様ご対応
在外日本公館にて在留資格認定証明書を提示してビザ申請
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在外日本公館にてビザ交付
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【日本入国】
※上陸は、原則として在留資格認定証明書交付日から3か月以内に行うようにしてください。
※上陸港にて①パスポート提示、②ビザ提示、③在留資格認定証明書を提出し、旅券に上陸許可の証印を受けるとともに、日本に中長期在留する外国人に対し在留カードが交付されます。
※成田空港、羽田空港、中部空港および関西空港(いわゆる四大空港)においては、その場で在留カードが交付されます。その他の出入国港においては、四代空港同様即日で在留カードが交付されるところもありますが、そうでない場合には、旅券上に上陸許可の証印をし、中長期在留者の外国人が市区町村の窓口に住居地の届出をした後に「在留カード」が交付されることとなります(原則として、地方入国管理局から当該住居地に郵送されます)。
申請理由書は必要?
在留資格認定証明書の交付申請、在留資格変更許可申請、在留資格更新許可申請において、おおまかな必要書類は法務省のホームページから知ることができますが、行政書士を通じて申請を行う場合、お客様からのヒアリング等を通じて申請理由書を作成し、申請書類と一緒に理由書を添付するケースが多く、弊所でも申請理由書をきちんと作成するようにしています。
法定様式ではないため、申請人(外国人)ご本人が申請する際には、わざわざ申請理由書を作成せずに必要書類一式を提出しているケースが多いようですが、行政書士が申請理由書を重視する理由は以下の通りです。
・雇用契約書だけでは具体的な職務内容が説明しきれない
会社に雇用されて働く場合、申請人(外国人)の学歴、職歴等と従事する職務内容がリンクすることが許可の要件となっています。
例えば、雇用契約書に「一般事務」としか書いていない場合、入国管理局の審査官は具体的にどのような業務に従事するのか判断することができません。
そこで、申請理由書に申請人が携わる予定の具体的な職務内容(経理、翻訳、通訳、貿易事務、広報・宣伝等)や申請人の能力が会社でどのように活かせるのか、採用に至った経緯などを説明することで、入国管理局からの追加書類提出依頼等による審査の遅延を避けることができます。
・「経営・管理」の在留資格の場合、会社概要の代用ともなる
外国人が起業するケースでは、「経営・管理」の在留資格を取ることになりますが、設立当初の企業では会社案内などは作成されていないことが多いため、その代用としてどのような理由で事業を開始し、今後はどのような展開をしていく予定なのか説明することになります。
もちろん、事業計画書も添付するのですが、その事業計画書では説明しきれない部分を補足する役割があると考えるといいでしょう。
実際に、申請理由書を作成する場合、とても熱い思いがあり10ページ以上書く人もいるそうですが、審査官の効率も考え、せいぜいA4で2~3ページに要点を簡潔にまとめるのが適当と言われています。
よって、申請理由書は必須ではないのですが、入国管理局においてスムーズに審査していただくために適宜準備している書類の一つであり、行政書士はこの申請理由書の書き方に精通しています。
不利な情報ほど隠さず丁寧に説明を!
弊所にご相談にくる外国人のお客様で、最初は自分で申請を出したものの不許可となり、入国管理局にて理由を聞いたところ、「過去に入国管理局に提出した資料あるいは申告した内容と整合しないから」と言われる方がけっこういます。
「過去に提出した資料あるいは申告した内容と整合しないのはなぜか?」と確認をすると、「正直に書くと不許可になると思った」、「バレないと思った」、「過去に提出した申請書の控えをもっていなかったので書いた内容を忘れてしまい、結果記憶違いのことを書いてしまった」など、理由は様々ですが、いずれにせよ、事実や証拠の信ぴょう性がないと判断され、不許可となる可能性がとても高くなります。
弊所では、上記のようなケースでも再申請を行いますが、過去に提出した資料と内容が整合しない場合、
・その理由
・不整合が生じた経緯
・不整合の程度
・文書作成者はどういう立場の者であったか
等、慎重に吟味していくことになります。
また、必要に応じて、申請人ご本人に入国管理局で過去に提出した資料の閲覧請求を行ってもらうこともあります。
いずれにせよ、上記のようなケースでは、再提出を慎重に行う必要があることから時間もかかります。
もちろん、初めからあいまいな書類の書き方はしない、不利と思われる情報があるのであれば、あえて別紙に「理由書」という形で丁寧にまとめ説明をする、さらに過去の申請書の控えは必要がない場合でもコピーを取っておくなどをしてください。
「急がば回れ!!」(Haste makes waste!!)