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永住許可と帰化申請はどちらが簡単か?

投稿日:2016年12月26日

日本に長年住んでいる外国人がゆくゆくは考えるようになる「永住許可」と「帰化」ですが、そもそも日本国籍を取得するのかしないのかという大きな違いはあるものの、「独立生計要件」や「継続居住年数要件」、「素行善良の要件」など、大まかに要件だけを見てみると似たようなものにもなっています。

 

そうなると、外国人から「どちらが簡単に取れますか?」といった質問や「永住許可より帰化申請の方が簡単だと聞きました」といった意見を聞くことがあります。

 

手続きの面だけで見るのであれば、永住許可の方が簡単だと思います。

 

というのも、必要書類が圧倒的に帰化申請よりも少ないからです。

 

しかし、永住許可申請の場合は、個別の事前相談を必須とはしていませんので、短い時間で書類を揃えて申請を出すことができますが、人によっては要件を満たせておらず不許可になってしまうことも多いようです。

 

一方、帰化申請は、法務局での事前相談が必須となっており、それも申請までに最低2回は相談に行かなくてはいけません。
1回目の相談で、大まかに要件を満たしているか確認をし、満たしていそうであれば必要書類のリストを渡され、2回目の相談の際に必要書類を揃えて持ってくるように伝えられます。
そして、2回目の相談の際に、必要書類が揃っていれば、次回の申請までに記入する書類等を渡されます。

 

つまり、帰化申請の場合には、事前相談の場合にある程度要件審査が行われており、ここでダメと言われなければ、ある程度帰化許可申請は通ると考えられます(ただし、絶対ではありません)。

 

しかし、帰化申請の場合には、国籍証明書や出生証明書、親族の出生証明書や死亡証明書、結婚証明書や離婚証明書等、永住許可申請に比べ、用意しなければならない書類は格段に多くなりますし、申請人(外国人)の本国から取り寄せなければならない書類も多くなります。
また、外国語で書かれた文書については、翻訳もしなければなりません。

 

つまり、結果だけをみると、永住許可よりも帰化の方が許可されているように見えるのですが(おそらく冒頭の外国人の質問も同様の見解からきていると思われます)、そもそも申請のプロセスが異なります。

 

そして、何よりも永住許可はもともとの国籍を失うことなく、日本に長年住み続けることができますが、帰化はもともとの国籍を喪失し、日本国籍になるということです。

 

外国人が日本人になるということは、とても大きな決断です。

 

永住許可と帰化申請どちらが簡単か、という視点で判断することがないようにきちんと決断して欲しいと思うことが常々あり、このような記事を書かせていただきました。

 

 

 

 

 

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