在留資格(ビザ)、建設業許可の申請を主要業務とする、東京都豊島区駒込駅徒歩3分の行政書士事務所です。

そもそも決算変更届とは?

投稿日:2015年3月27日

建設業許可を取得後、毎年事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届を提出する必要があります。
この決算報告は、正式には「決算終了に伴う変更届出書」と言いますが、一般的には決算変更届と呼ばれています。

 

決算変更届は変更届というよりも、事業報告としての意味合いが強いものになります。
そのため、すべての建設業許可を持つ会社は変更事項の有無にかかわらず、毎年決算変更届を提出しなければなりません。

 

決算変更届の提出がない場合「般・特新規申請」、「追加申請」、「更新申請」を受付してもらえません。
5年後の更新時期に慌てて何期分もの決算変更届の作成に追われている会社もありますが、更新時期が迫っている中で、過去の決算変更届をいくつも作成するのはとても大変です。
必ず、毎年提出するようにしましょう!

 

また、経営事項審査(以下、経審〈けいしん〉)を受ける建設業者にとっては、決算変更届で提出した工事経歴書の内容や完成工事高がそのまま経審の審査対象になり、自己資本や利益額など決算数値にかかる審査はすべて決算変更届の財務諸表から算出された数字が使われます。
つまり、公共工事の入札ランクに影響してくる、とても重要な変更届となっています。

 

この決算変更届では財務諸表を作成し、提出します。
しかし、会計士や税理士といった税の専門家が作成する財務諸表(決算報告書)をそのまま提出することができません。
建設業法によって定められた財務諸表の様式を使用し、勘定科目の組み替えを行う必要があります。

 

例えば、主な勘定科目の組み替えとして、
売掛金〈企業の決算書で用いる勘定科目〉→完成工事未収入金(←建設工事に係るもの)と売掛金(←建設工事以外のもの)に振り分ける
前払金〈企業の決算書で用いる勘定科目〉→未成工事支出金(←工事代金の前払い)と前渡金(兼業)(←工事代金以外)に振り分ける
といったようなものが挙げられます。

 

また、建設業法様式の財務諸表を作成する際の注意点として、
①経審を申請する場合は「消費税抜」に統一します。
(ただし、消費税免税事業者は消費税込で作成し、「免税につき消費税込」と表示します)
経審を受けなければ「消費税込」でも問題ありません。
②金額単位は「千円」となりますので、千円未満を切り捨てて表示します。
(ただし、会社法上の大会社〈資本金5億円以上または負債総額200億円以上〉は「百万円」単位で記載することができます)
③営業取引以外で発生した勘定科目(貸付金、借入金など)は、1年以内に精算(回収)可能なものは「短期」、1年以上先の場合は「長期」として、それぞれ流動資産、固定資産、流動負債、固定負債に振り分けます。
④「その他」に属する勘定科目であっても、資産科目の場合は資産合計の100分の5以上、負債科目の場合は負債・純資産合計の100分の5以上である場合、「その他」ではなく所定の勘定科目を用いて金額を明示する必要があります。

 

このように、建設業許可における決算変更届は通常の企業で用いる決算報告書とは異なります。
決算変更届は、事業年度終了後4ヶ月以内に所管する行政庁に提出することになっていますが、経審の申請を考えている建設業者は、経審の総合評定値通知書の有効期間が1年7か月であることも踏まえ、万が一の補正の時間等も含めて、早めに準備することが望まれます。

 

 

 

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